『蝦蟇』とは
『蝦蟇』とは、日本文化学科の学生が自ら編集する文芸誌。平成14年の創刊以来、毎年年度末に発行、その春旅立つ卒業生をはじめ、入れ替わり入学する新入生、在学生に届けられます。しかしながら、『蝦蟇』って何? 『??』何て読むの? どんなことが書かれているの? なんて疑問も。そこであらためて蝦蟇編集部を取材、雑誌『蝦蟇』について根掘り葉掘り聞いちゃいました。
蝦蟇の由来
蝦蟇口(がまぐち)財布のように、「雑誌を開くと学生の無限の可能性を秘めた、さまざまな文章作品が湧き出る」という雑誌づくりをめざしていることから命名。もちろん、飛び跳ねる蛙を連想させる“飛躍”の意味も掛けています。
蝦蟇編集部を直撃!
答えてくれた人
編集長・上森雄一(うえもりゆういち)さん(3年)
副編集長・足立鯉太郎(あだちこいたろう)さん(3年)
編集部員・澁木南帆(しぶきなほ)さん(1年)
左から澁木さん、上森さん、足立さん
『蝦蟇』ってなんですか?
上森
日本文化学科の学生による学内総合文芸誌のことです。2002年度に創刊され、現在20号まで発刊しています。1年をかけて、企画立案から原稿依頼、印刷所への入稿など、一連の編集作業を体験します。
本の内容はバラエティに富んでいて、1年生の後期の「日本文化体験」という講義で、学生全員に書いてもらった文章の優秀作品の掲載、学科の先生からの寄稿、日本文化学科にある10の研究会の活動内容を紹介する文章、さらには「蝦蟇辞典」といって、明星大学の日本文化学科独自の視点で解釈した言葉の辞典などもあります。
加えて、編集部員の学生が、小説やエッセイ、詩など、自分の書きたい文章を掲載するなど、盛りだくさんです。学科の全学生、教員に配布するほか、オープンキャンパスに来てくれた高校生にも配布しています。
本の内容はバラエティに富んでいて、1年生の後期の「日本文化体験」という講義で、学生全員に書いてもらった文章の優秀作品の掲載、学科の先生からの寄稿、日本文化学科にある10の研究会の活動内容を紹介する文章、さらには「蝦蟇辞典」といって、明星大学の日本文化学科独自の視点で解釈した言葉の辞典などもあります。
加えて、編集部員の学生が、小説やエッセイ、詩など、自分の書きたい文章を掲載するなど、盛りだくさんです。学科の全学生、教員に配布するほか、オープンキャンパスに来てくれた高校生にも配布しています。
入部のきっかけを教えてください。
上森
高校時代から文章を書くのが好きで、同好会でライトノベル、ファンタジー系を書いていましたが、完成したものはありませんでした。「蝦蟇」なら、下手であっても誰かに読んでもらえる機会があると思い、1年生の9月に入部しました。
足立
学科の先生から「蝦蟇」の活動について、部員が企画、執筆、校正、入稿という本の出版の一連の作業を、1年を通して行うことを聞き、なかなか経験できないことだと思い、入部しました。
澁木
入学式後に、日本文化学科の独自の研究会や「蝦蟇」の活動を紹介するコーナーがあり、そこで「蝦蟇」を知りました。学生が文章を書き、最終的に一冊の本になって新入生の手に渡ることに憧れました。
本が人の手に渡るまで、いろいろな職種が関わっていますが、私は、事実確認などのすべてを行う「校閲」の仕事に就きたい! と考えていて、将来の夢に近い活動ができるかもしれないと思い、入部しました。
本が人の手に渡るまで、いろいろな職種が関わっていますが、私は、事実確認などのすべてを行う「校閲」の仕事に就きたい! と考えていて、将来の夢に近い活動ができるかもしれないと思い、入部しました。
部員たちだけで本をつくるのは、かなり大変なのでは?
上森
そうですね。編集作業で一番大変なのは、1年生の「日本文化体験2」の講義にお邪魔して、100~120人の学生全員に文章を書いてもらい、さらにその中から優秀作品を選定することです。
毎年10月から12月にかけてその講義が行われます。執筆にあたっては、編集部で「月」や「雨」などのお題を決めて書いてもらいます。文章が集まると、年末にかけて選定や添削、校正、校閲などの作業を行います。選考基準は部員によって異なりますが、お題の言葉を別の角度から解釈するもの、シンプルにおもしろいものを選ぶ部員が多いですね。
編集長(3年)、副編集長(3年)、編集チーフ(2年)、編集部員が数名。その年ごとに異なりますが、およそ10名程度で構成されています。一応、顧問の先生はいますが、現場に関与することはほとんどなく、学生が主体で活動しています。
毎年10月から12月にかけてその講義が行われます。執筆にあたっては、編集部で「月」や「雨」などのお題を決めて書いてもらいます。文章が集まると、年末にかけて選定や添削、校正、校閲などの作業を行います。選考基準は部員によって異なりますが、お題の言葉を別の角度から解釈するもの、シンプルにおもしろいものを選ぶ部員が多いですね。
編集長(3年)、副編集長(3年)、編集チーフ(2年)、編集部員が数名。その年ごとに異なりますが、およそ10名程度で構成されています。一応、顧問の先生はいますが、現場に関与することはほとんどなく、学生が主体で活動しています。
足立
10本20本を読み込んで優秀作品を決めるのは、責任が重いし、プレッシャーになりますが、興味を引かれるおもしろい文章が多くて、楽しい作業でもあります。短いけどきれいにまとまった文章を読むと、僕は単純にすごい! すばらしい! と思います。
上森
新入生の優秀作品のほかに、先生方の寄稿文は、「先生方の忘れ難い映像作品」など、テーマに沿って書いていただきます。
さらに、日本文化学科にある10の研究会の活動紹介文や「蝦蟇辞典」など、「蝦蟇」の1冊に収める文章を集め、年末にかけて添削、校正、校閲などの作業を行います。
さらに、日本文化学科にある10の研究会の活動紹介文や「蝦蟇辞典」など、「蝦蟇」の1冊に収める文章を集め、年末にかけて添削、校正、校閲などの作業を行います。
ところで、2022年3月発刊予定の21号では、部員のみなさんはどんな文章を書いたのですか? ちょっと教えてください。
上森
出版社に勤務する男性編集者とその先輩のお話です。男性編集者が担当する著者が執筆する作品の締切り、出版社内での校正期限があり、著者にはよいものを書いてもらいたいけれど、校正期限があるから早く書き上げてほしいと機嫌を取ったり、その葛藤を描きました。
「蝦蟇」の編集を経験して、編集作業は時間との闘いであり、一方でよいものを創りたいという強い思いもあることを痛感し、テーマにしてみたんです。
「蝦蟇」の編集を経験して、編集作業は時間との闘いであり、一方でよいものを創りたいという強い思いもあることを痛感し、テーマにしてみたんです。
足立
僕自身、ニキビがたくさんできてしまう体質なので、これを題材にしました。ニキビをストーカーに例えて、ニキビと悟られないように書き、最後にニキビだと判明するように書きました。
最初にお話ししたように、とくに文章を書いた経験はなかったのですが、「蝦蟇」での編集経験や、皆さんのすばらしい作品を読んでいて触発され、ちょっとひねった展開にしてみました。
最初にお話ししたように、とくに文章を書いた経験はなかったのですが、「蝦蟇」での編集経験や、皆さんのすばらしい作品を読んでいて触発され、ちょっとひねった展開にしてみました。
澁木
小説書くのは初めてでお題に困って、ネットで探したところ、お題を出してくれるサイトを見つけました。その結果、お題は「死んだ小説家が、なぜだか海水浴場にいるという設定の友情物語」でした(笑)。テーマを決めるのも難しいものだと、改めて思いました。
昨年から部員が増え、人気の蝦蟇編集部になりましたね。本をつくることの醍醐味や達成感って、どんなところにありますか?
上森
2019年度から2020年度にかけては部員が倍に増え、2021年度には、さらに倍に増えて、今では16人で活動をしています。2019年時点では、僕と足立君と先輩3人の合計5人しかおらず、この代で蝦蟇編集部は終わるんじゃないかと言われていました(苦笑)。
コロナ禍で在宅時間が増え、本を読む時間も増えていると思いますが、そういった環境から本づくりへの興味が湧いたのかもしれません。
達成感は、印刷所で本として形が出来上がった時に得られますね。表紙も見返し紙の色選びも部員たちで行いますが、製本されたばかりの本を見たときは、やはり感動します。
コロナ禍で在宅時間が増え、本を読む時間も増えていると思いますが、そういった環境から本づくりへの興味が湧いたのかもしれません。
達成感は、印刷所で本として形が出来上がった時に得られますね。表紙も見返し紙の色選びも部員たちで行いますが、製本されたばかりの本を見たときは、やはり感動します。
足立
僕も同感です! 「おもしろかったよ」と、たびたび言われるので、「やってよかった!」と、うれしくなります。
澁木
1年生なので、まだ本をつくった経験はありませんが、バイト先の進学塾で採点者に配る資料の編集に携わり、出来上がって何十部も山積みになった状態を見るのが、楽しみでした。それを経験できるのだと、今はワクワクしています。
高校生へのメッセージをお願いします。
上森
一冊の本を、学生だけで作り上げる機会は、なかなかありません。自分の想いを文章にする機会も、それほど多くはないと思います。「蝦蟇」という冊子の中で、自分の気持ちを表すのもいいし、他人の文章から、こんな考え方があるんだと触れるのもいい。一冊の本づくりから、さまざまなことを学べます。ぜひ「蝦蟇」を見かけた際には、手に取って読んでみてください。
足立
「蝦蟇」っておもしろそうだな、と思ったら、ぜひ編集部へいらしてください! 一緒に本づくりをしましょう。
澁木
「蝦蟇」を読むと、書いた人の世界が見えてきます。書く人も読む人も楽しめる「蝦蟇」の編集部へ、ぜひ遊びに来てください!