ゼミ紹介

日本語の歴史(柴田 雅生ゼミ)

研究テーマ

柴田ゼミ イメージ画像

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 日本語はこれまでどのように変化してきたのか。今の日本語で昔と変わらないものはあるのか。言葉を変えるものは何か。日本語にまつわるさまざまな疑問や問題を、具体例をもとに、客観的な視点から解明しています。

柴田ゼミってどんなゼミ?
紹介してくれるのは先生一家に育ち本人も教員志望の村上 勇一郎(むらかみ ゆういちろう)さんです
Q
柴田先生って、どんな人?
A

 とても真面目な方です。学生が尋ねたことに対していつも丁寧に答えてくださります。卒論のテーマを決められずに焦っていた時、先生に相談しに行ったんです。まだきちんと詰め切れていない段階での相談だったにも関わらず、先生は論文の組み立て方について真剣にアドバイスしてくださりました。それで方向性が見えたんです。「ああ、この先生で良かった(笑)」とホッとすると同時に、たいへん心強く感じました。
 柴田先生の講義は、講義というより授業という感じで、なるべく学生にも発言させようという雰囲気があり、ただ聞かされている受け身の講義より面白いです。

Q
柴田ゼミならではのポイントを3つあげてください
A

①学ぶ人を選ばない:
 予備知識は特に必要ありません。学んでいくうちに、自ずと言語への関心が高まっていきます。「崩し字」の解読があるのですが、わたし自身、はじめてのこと、もちろん解読する辞典も引いたことはありませんでした。
②一過性でない研究:
 発表を一回行って終わりではなく、もう少し調べた方が良い部分を先生が指摘してくださります。その上でレポートとして再構築するので、最終的に学びがより深まります。崩し字を調べる作業は相当の根気がいりますが(笑)、その分新たな発見を得られるので常に新鮮です。
③辞書が身近になる:
 古語辞典や崩し字の辞典など、最初はとまどいますが、調べを繰り返すうちに自然と使いこなせるようになります。

Q
柴田ゼミでの研究テーマについて教えてください
A

 平安時代中期の仏教説話集『三宝絵詞』(さんぼうえことば)を題材に、崩し字の解読の仕方、さらに書物が書かれた時代の言葉と現代語の意味のズレについて研究しています。
 楷書体と違い切れ目なくつながっている崩し字は、とてもミステリアスです。たとえば部首が同じ「深」と「源」は崩してしまうと判別しにくくなります。人名や地名などの固有名詞も難しい。繰り返し記号の「ゝ」にいたっては、もしかしたら記号ではなく別の字かもしれない(笑)、と。前後の言葉や文脈を手がかりに、専用のテキストと照らし合わせ、「これだろうか、あれだろうか?」と推測しながら探り当てていきます。

Q
その中で村上さんが研究していることは?
A

 『三宝絵詞』は上中下3巻からなる長い書物なので、それぞれが自分の調べる範囲を定めて研究を進めていきます。わたしが担当する範囲に書かれているのが「召す」という言葉なのですが、現代語の意味のズレという点から研究テーマにふさわしいと感じました。「召す」という言葉の語源を主として、「天に召される」という言い方が使われるようになった経緯について、さまざまな文献を頼りに調べを進めています。
 ゼミ生の中には、助詞の使われ方の違いを調べている人もいます。現在では「を」を使うところを、当時は「に」や「が」だったという興味深いテーマです。『三宝絵詞』は仏教説話なので、漢文の影響があるのかもしれません。

Q
卒業論文のテーマは何にするつもりですか?
A

 現在ゼミで研究を進めている「召す」という言葉をもとに、テーマを発展させていこうと考えています。
 「召す」には「見る」「食べる」「風邪を召す」など非常に広い意味があり、現在では「天に召される」とも使われますが、不思議なことにどの時代を調べても「昇天」を意味する表現が出てこないのです。「閻魔様に連れて行かれる」という意味では平安中期にも見られますが、「昇天」は江戸時代になっても登場しない。おそらく、海外の文化が入って来た明治以降ではないかと。キリスト教との関連から聖書を調べてはみたものの、翻訳等ややこしい問題があり、決定的につかめていないのが現状です

Q
まだゼミを知らない後輩や高校生へメッセージをお願いします
A

 わたし自身は、「教員になる」という目的があったこと、また高校が単位制だったため、履修やゼミ選択など、自主的に学ぶことにとまどいはありませんでした。大学では自分から学ぼうとしなければ、何も学べません。難しいことのように感じるかもしれませんが、それは「自分が学びたいことを学べる」ということなのです。それが高校までの勉強と大学の学びとの大きな違いでしょう。
 進学に当たっては、「とりあえず有名な学校」とか「偏差値の高いところ」という安易な判断基準ではなく、自分自身の目的意識をしっかり持ち、その目的と照らし合わせて選ぶことが大事です。自分に合った大学・学部は必ず見つかりますから!