教員紹介

田村ゼミ

田村 良平

田村 良平

田村 良平 教授

(平安朝文学、古典芸能)

文学修士
早稲田大学大学院文学研究科日本文学専攻博士課程後期修了(1998年)
中古文学会所属。独立行政法人日本芸術文化振興会芸術文化振興基金運営委員会伝統芸能専門委員会委員、文化庁芸術創造活動重点支援事業等協力者会議委員、文化庁新進芸術家海外研修制度協力者会議委員、文化庁芸術祭執行委員会委員、芸術選奨選考審査員ほかを歴任。財団法人観世文庫評議員。
研究会: 源氏物語研究会/国語科教育研究会

研究の紹介

 わたくしは日本古典文学の学徒でありますが、ことに興味を抱き自らの業としている研究分野は、大きく分けると二つであります。
 一つは平安時代後期(『源氏物語』以降)の物語文学、なかんずく『狭衣物語』であります。これは精妙なる硝子細工の如き作品でありまして、人間の真相を追究して止まない『源氏物語』を嘲うかのような、純美を尽くすものであります。
 いま一つは能・狂言の享受史であります。世界演劇の、恐らく頂点にも立とうかという価値のあるこの伝統藝能は、中世そのままの台本に基づき現在も日常に演じられているところに、類例のない意義があります。
 誤解を恐れす申すならば、前者は虚構美の、後者は真実美の、恐らくは極致の姿かと思います。いやしくも文学の徒であらば、個々自らの文学史・文学観をば持つべきであり、わたくし自身、軸足は古代後期~中世に置きつつも、その意味で常に広汎な探求心を持ち続けているつもりであります。

学生へのメッセージ

 禅堂に参りますと「照顧脚下」の札を目に致します。「足元を見よ」ということであります。学問も藝術も、煎じ詰めればその人自らの自己探求に尽きるのであります。その人自ら、「おのれとは何者か」という疑念を抱かねば、学問・藝術に携わる意味はない道理であります。乾いた砂がいくらでも水を吸い取るような二十歳前後の若い方々に、古代・中世の古典文学・古典藝能の魅力を、身をもって感じ取って欲しいと思います。これらは現代日本を生きるわたくしたちの「足元」を支えている、文字通りの根源であるからであります。

田村先生の横顔
 文学の研究とは、「過去の時代を生きた人にとって、その作品にはどんな価値があったのか。そして、現代を生きる私たちにとって、その作品はいかなる価値を持つのか。その二つを考えることである」と、田村先生は語る。たとえば、日本の古典芸能である能は、600年前の世阿弥の頃とほとんど変わらない詞章で、いまも盛んに舞台で上演されている。が、演目の理解、観客へのアピールのしかたなどは、時代によって大きく変化を遂げてきた。『源氏物語』のように書物として固定化された文学作品であっても、その解釈や位置付けは、時と時代によって一様ではない。こう考えると、古典・現代を問わず、文学研究を志すには、雑多なジャンルに興味の幅を広げ、見識を深め、何よりも「いまを生きる」積極性を持つことが必要だろう。
 小学生で『枕草子』、中学生となって『源氏物語』を愛読、高校に上がり能や歌舞伎に惹かれ、それぞれで受けた深い感動が、田村先生を研究・評論の道に導いた。大学時代、名優・中村歌右衛門の出演する歌舞伎公演1ヶ月25日間のうち、最高23日間通い詰めた田村先生にとって、思索の場は単に机の上だけには留まらない。
 「古典文学であれば、最終的には現代語訳によるのではなく、精密に原文を読み解く。古典芸能であれば実演、ことに第一級の演者によるものに接してもらいたい」。これが田村先生の、学生に寄せる思いだ。「自分なりの切り口を大切に、キチンと研究に立ち向かう人ならば大歓迎。他人に良く向き合い、話を聞き、吸収して、自分の意見を発信できる、好奇心旺盛な若者が育つことを期待しています」。

業績・著書

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